川ヨビ通信(2017~)

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【第25号】定期試験〇〇点アップ

これから入試本番ということでどうしても中3生の追い込みに力点が置かれるのですが、この時期は同時に新中1を迎え入れる時期でもあります。

いろいろな塾がこれからの時期、募集広告を打ってくるかと思いますが、その中で気になる宣伝文句がいくつかあります。

そのひとつが「定期試験〇〇点アップ」なるもの。

定期試験については、教科書の太字だけを強引に覚えたり、一問一答レベルの学習で解けたりする問題が多く(これを「点の学習」としましょう)、簡単に結果が出やすいというのは確かです。

場合によっては、某中学の某先生の定期試験の過去問をストックしておいて、それを定期試験対策としてやらせ、「ほら、同じ問題だったでしょ」ということで結果を出している場合もあるようです。これも、「こう聞かれたら、こう答えなさい」という指導であり、点の学習の域を出ていません。

このようにして作られた「定期試験〇〇点アップ」をセンセーショナルに宣伝する塾に限って、入試結果の全体像がわかりません。

入試は、「点の学習」だけでは解けないのです。点と点を結び付ける「線の学習」が不可欠になるのです。

たとえば、今年のセンター試験で話題になった「ムーミンの舞台はどこか」という問題。

点の学習しかしていない生徒は「ムーミンの舞台は〇〇である」ということ以上に考えを巡らせず、知らなければできないと思ってしまいます。

しかし、線の学習をしている生徒は、「ムーミンの背後に描かれた木の高さを見ると平らな地形であるとわかる。ノルウェーは古期造山帯であるのに対し、フィンランドはバルト楯状地の広がる安定陸塊であるので、ムーミンの舞台はフィンランドである」と導き出せます。

こういった思考が試されるのは高校入試でも同じであり、「点の学習」だけでは到底無理なのです。

「点の学習」ばかりを強調し、「線の学習」の重要性を隠すのって怖くないですか。

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